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骨粗鬆症のお薬と歯科との関係

整形外科で「骨が脆くなってきているので骨を強くするお薬を飲みましょう」と言われ、骨を強くするお薬(骨粗鬆症のお薬)を飲まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

骨粗鬆症のお薬と歯科には実は深い関係があることをご存知ですか?

実は骨粗鬆症のお薬を飲まれている方、注射を打たれている方には顎骨壊死が生じる可能性があるのです。

 

顎骨壊死ってなに?

「顎骨壊死」と言っても聞き馴染みのない言葉かと思います。

簡単に言うと、顎の骨が感染を起こして腐ってしまっている状態のことです。

骨粗鬆症のお薬による顎骨壊死は単独でも生じますが、抜歯などの外科処置を行うとさらに生じやすいとされています。

 

顎骨壊死の症状

・抜歯後の痛みがなかなか治らない

・歯茎に白色または灰色の硬いものが出てきた

・歯茎、顎が腫れてきた

・下唇が痺れた感じがする

・歯がぐらついてきて自然に抜けた

さらに重症になると顎の骨が病的に骨折したり、皮膚から膿が漏出することもあります。

 

顎骨壊死の発生頻度

海外のある報告では、飲み薬では0.01~0.04%、骨粗鬆症のお薬の投与中に抜歯された症例では0.09~0.34%、注射タイプのお薬では0.88~1.15%、骨粗鬆症のお薬の投与中に抜歯された症例では6.67~9.1%の確率で顎骨壊死が生じたとされています。

顎骨壊死は細菌感染が引き金となって生じることが多いので、お口の中が不衛生だと顎骨壊死の発症リスクが上がります。

また、ステロイドを長期的に服用されている方、糖尿病の方など、易感染性の方も顎骨壊死の発症リスクが上がります。

 

顎骨壊死の治療

含嗽、洗浄

長期間の抗菌剤投与

顎骨壊死の範囲が大きい場合、顎骨切除が必要になることも

 

顎骨壊死に一度なってしまうと完全に治癒することは困難で、症状の悪化を抑えるような保存的なアプローチしかないのが現状です。

なので、骨粗鬆症のお薬の投与を受ける前に、歯医者で治療すべき歯の治療を済ませる、

治療が終わった後も歯医者に定期検診に通う

など顎骨壊死の予防に努めることが非常に大切です。

 

口の中をなるべく清潔に保つために、骨粗鬆症のお薬を飲まれている方は毎日丁寧に歯磨きをしましょう。

また歯医者さんで定期的にクリーニングを受けられたり、虫歯や歯周病があれば治療をしておきましょう。

また、歯医者さんに行った時は必ず、骨粗鬆症のお薬を飲んでいること、注射を打っていることを伝えてくださいね。

 

骨粗鬆症のお薬は決して悪者ではなく、健康に長生きするためには必要なものです。

かかりつけの歯医者を見つけ、定期的に検診・クリーニングに通い、顎骨壊死を予防するようにしましょう。

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