「子供の歯がなんか変なんです。」
「歯の形がいびつで2本の歯がくっついてるみたい。」
このようなご相談をたまにお受けします。
このようなご相談を受け、お口をみてみると「癒合歯」という状態の歯であることが多いです。
癒合歯とは
本来1本ずつ生えてくるはずの隣り合う2本の歯が、歯が作られる途中でくっついてしまったものです。
歯の表面だけくっついているケースもあれば、神経など歯の内部までくっついているケースもあります。
原因は今のところ分かっておらず、歯の発生段階で歯胚(歯やその周りの組織になる大元の細胞の塊)に何らかの影響があったと考えられます。
癒合歯の好発部位・発生頻度
癒合歯は下の前歯にみられることがほとんどです。
乳歯での癒合歯の発生頻度は3〜5%、永久歯では0.025〜0.1%だと言われています。
癒合歯の問題点
癒合歯であること自体に大きな問題はありません。
しかし、2本の歯がくっついており、その繋がっている部分は溝や凹みになっているので汚れがたまり不潔になりやすいです。
汚れが溜まり不潔な状態が続くと虫歯や歯肉炎になってしまいます。
お子様が癒合歯だった場合、その部分は特に丁寧に仕上げ磨きをするようにしてください。
また、乳歯が癒合歯である場合、生えてくる永久歯の数が少ない可能性があります。
この場合、歯並びのバランスが崩れてしまう可能性があります。
また、永久歯の生え変わりの時期に癒合歯がうまく吸収されず自然に抜けるのが難しいことがあります。
このような場合には乳歯の癒合歯を抜いてあげないといけません。
癒合歯だったらどうする?
癒合歯に対して特別な処置は必要ありません。
しかし前述したように癒合歯には溝や凹みが存在し不潔になりやすいので、この部分をシーラントで封鎖する処置を行うことがあります。
また、フッ素を活用し歯質強化させることも重要です。
癒合歯では歯の神経(歯髄)まで癒合し歯髄が複雑な形態をしていることもあるので、虫歯が神経まで達してしまい神経の治療が必要となった時、歯髄の形態が複雑なため治療が困難となり、予後が悪いことも多くあります。
癒合歯であることが分かったらいち早く予防に努めることが重要です。
お子様の歯について気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
アクロスモール春日歯科ではお子様の検診もお待ちしております。